雨続きの日々
五月というと心地よい風と青空を連想しますが、今年はなんと雨の多いことでしょう。それも嵐のような強い風を伴っていて庭を荒らします。その中で元気に開花した紫陽花です。

HTの薔薇はまっすぐに伸びた茎に大ぶりの花を咲かせますが、その中でもこの「乾杯」の堂々とした花は見応えがあります。
40枚を超える真紅の花弁、花径は12~13㎝もある薔薇の中の薔薇とでもいいましょうか。
京成バラ園の鈴木省三さん作出の薔薇で日本の風土にあっている強健種です。うちでは近くのつる薔薇の勢いに押されてちょっとかわいそうですが。拙い写真で花弁のベルベットのような光沢がでていないのが残念。
二年草に分類されるこの花は、種を蒔いてから足掛け2年の歳月をかけて花を開くまでに成長します。株はその間に大型になり、一株から多いものでは10本も立ち上がる花穂は70cmを超えます。それだけに咲いたときは見事です。ここに写った色のほかに白や薄いピンクもあります。
数年前から園芸誌や苗種会社の会報誌などでよく目にするようになった「ピエール・ドゥ・ロンサール」を昨年遅まきながら手に入れました。今春初めて花をみましたが、評判に違わず美しい花です。
一番外側の花弁がほんの少し緑がかっていてそれが繊細な印象を与えます。この深窓の令嬢風の薔薇は思いのほか丈夫で花つきも申し分ありません。この点が人気の理由なのでしょう。しかし香りはあまりなくてそれだけはもの足りません。
フランスの女性向け雑誌「マダム・フィガロ」の創刊20周年の記念花に選ばれてのネーミングだということです。その雑誌の購読者層であるリッチな女性をイメージしているのだと思いますが、柔らかで上品な優雅さを感じさせます。
この薔薇の発売元であるフランスのデルバール社はイングリッシュローズと同じように「オールドローズの花形香りにモダンローズの色、返り咲き性」をコンセプトに「薫り立つ愛の思い出シリーズ」を発表しています。この薔薇もその中の一つです。