水上の貴婦人
真夏の昼下がり誰もが暑さに喘いでいる中で湖面を彩る睡蓮の花。
その姿は優雅でかつ毅然としています。そよとも風は吹かないのに涼風が吹き渡っているような錯覚を覚えます。
季節を感じられる国内の旅行も楽しいものです。
山梨県北杜市にある「山梨県立フラワーセンター ハイジの村」 ここは関東有数のバラ園がありその数は5000本を数えるといいます。数年前から気になっていたバラ園です。
なぜ「ハイジ」なのかは不明ですが、八ヶ岳の近くでハイジの舞台となっているスイスに気候が似ているのでしょうと一人で納得。
入り口近くもこんなふうにヨーロッパふうです。
広い園内を巡る「ハイジ号」です。私はもちろん薔薇を愛でながら歩きました。
圧巻は大きな花壇を囲むようにして設けられた「バラの回廊」です。6月22日のこの日薔薇が満開でなんとも優雅な気分を味わいました。この回廊は200メートル以上も続いています。
回廊を飾っていた初めてみる薔薇でタグも写してきました。ローゼンドルフ・スバリスホップという名前です。柔らかいピンクと花弁のフリンジが素敵です。
回廊の外側に開けているバラ園です。
ハイジの愛犬ヨーゼフは暑さの中でぐったり。私をチラッと一瞥してからお昼寝タイムです。
低音で「ウワン」と吠えるセント・バーナード、一度飼ってみたいです。
渋川から草津へ抜け万座へと向かう小旅行に出かけました。
途中渋川の「小野池あじさい公園」に立ち寄りました。施設がまだ新しくて植えつけられた紫陽花も大株というわけにはいきませんが、川沿いから小高い丘にかけて咲く美しい紫陽花を楽しみました。
芭蕉の句碑を見つけました。
草津から万座へは白根山山頂付近を通ります。「白根山」は標高2161メートルの活火山です。火口湖は「湯釜」と呼ばれエメラルドグリーンの水が神秘的な雰囲気を感じさせます。駐車場からゆっくり歩いて30分ほど登って行きますが、辺りは硫黄の匂いが立ち込めていて火口湖付近は岩肌が露出していました。ここ白根山頂だけでなく道路わきの北面には雪がまだ残り厳しい気候を想像させます。
この火口湖は魚が全く住めない世界一の酸性湖だそうです。
<雲巌寺>
当国雲岸寺のおくに、仏頂和尚山居跡あり。
(中略)
其跡みんと雲岸寺に杖を曳ば、人々すゝんで共にいざなひ、若き人法師の石室をみるがごとし。
啄木も庵はやぶらず夏木立
と、とりあへぬ一句を柱に残侍りし。
芭蕉主従は、鹿島根本寺の住職で江戸深川に逗留したことのある仏頂和尚の住まいのあった雲巌寺を訪ねます。そこには寺つつきと異名のある啄木鳥に破られもせず庵が残っていたそうです。
この俳句の句碑が雲巌寺に建っていました。
ここ雲巌寺は手入れされた庭園をもっていますが撮った写真が何故かボケて・・・。新緑がまぶしかったですし、紅葉の季節もさぞ美しいことでしょう。
奥の細道の旅はまた機会があれば出かけていきたいと思っています。
<黒羽> 承前
それより八幡宮に詣。与一扇の的を射し時、「別しては我国氏神正八まん」とちかひしも、此神社にて侍と聞ば、感応しきりと覚えらる。暮れば桃翠宅に帰る。
玉藻神社を後にして、芭蕉は那須八幡神社に詣でます。この神社は、屋島の戦で源義経に従軍していた那須与一が平家の軍船に立てられた扇を矢を射るときに「南無八幡大菩薩」と心に念じたその八幡神社だということです。
芭蕉はその話を聞いて「感応しきりと覚えらる」と書き、遥か500有余年前に思いを馳せたのです。
この神社の山門はなかなか美しいものでした。
<黒羽>承前
修験光明寺と云有。そこにまねかれて、行者堂を拝す。
夏山に足駄を拝む首途哉
光明寺は今はなく句碑だけが建っています。