絶景列車と氷河を観る旅

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3089Mゴルナーグラート展望台へ

本日は今回の旅行のメインイベントの日です。

しかし、如何せんお天気が思わしくありません。

もしかしたら、雲の切れ間から期待のマッターホルンが見えるかもしれないという僅かな期待を胸に、ゴルナーグラート登山電車に乗りこみます。30分ほどで頂上駅に到着。

駅前広場には、観光客と一緒に写真に納まるという役目の「セントバーナード犬」が数頭屯していました。大きな体に愛嬌のある顔、性格は温和なようでゥワンと低い声で吠える様子は以前から私の憧れです。

 

続々と電車で団体客も到着し雲の切れ目を待ちますが、たまに雲が流れてもカメラを向けるともう隠れてしまうという、聞きしに勝る気まぐれな山の天気です。

雪に足をとられながら上の展望台に行ったりショップを覗いたりしながら待つこと3時間。雲が切れました!

 

左はヨーロッパアルプス第2の高峰モンテ・ローザ(4634M)右はリスカム(4527M)その間を流れるグレンツ氷河。この写真では写っていせんが、モンテ・ローザの左側にゴルナー氷河が見えます。山の美しさもさることながら、水の流れを感じさせる氷河のうねりに大感動です。

お天気が良ければここローテンボーデンからリッフェルベルクまでハイキングして、リッフェル湖に映る「逆さマーッターホルン」を楽しみにしていましたが、視界が悪い状態で止む無く断念しました。

 

ツェルマットに戻り「マッターホルン博物館」を見学。日本人用のパンフレットやジオラマも日本語解説があるなど日本人観光客の多さがわかります。

 

ホテルのテラスからマッターホルンの方向をずっと眺めていましたが、雲が晴れることはなく本当に残念です。中央に三角の峰が二つ見えるそのすぐ右にうっすらと見えるのがマッター・ホルン(4478M)です。

 

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4日目 世界一遅い急行 グレッシャーエクスプレスに乗って

2泊したサン・モリッツに別れを告げて、絶景列車氷河急行に乗ります。

   

標高1775Mnのサン・モリッツを出発し604Mのライヒェナウまで下り、再び標高2033Mのオーバーアルプパスへーエまで登ります。そこから671Mのブリークまで下った後終点の標高1620Mのツェルマットまで登っていきます。

標高1000M以上を登ったり下ったり山間を蛇行しながら行くこのグレッシャーエクスプレスは、全行程280㎞を凡そ8時間もかけていく「世界一遅い急行」と言われているそうです。

  

全席座席指定のパノラマ車輌は快適ですが、困ったことに窓が開かず写真にはガラスにいろいろなものが写りこんでしまいます。車窓の風景は美しいのですが、写真は全滅です。

 

       

お昼近くなるとランチのサービスが始まりました。事前に予約して楽しみにしていたランチですが、う~ん・・・飲み物別で¥5500ではこんなものでしょうか。

 

 

 

     

ディセンティス駅ではオーバーアルプへーエへの急な上り坂に備えて機関車の入れ替えが行われていました。ここからはラックレールになります。

 

  

 

昨年7月に日本人女性が死亡したという脱線事故のあったフィーシュ駅付近も無事通過して、列車はブリークまで下ってから再び登りはじめます。

たまねぎ屋根の教会の見えるサンクト・ニクラウス駅近くには優秀な山岳ガイドを輩出した村があるということです。

  

ここを過ぎるとヘルブリンゲンというところで大規模な山崩れが見られます。1991年岩石と土砂が鉄道道路川を埋め、付近が水没の危機にさらされたそうです。 

 

ツェルマットに到着。駅前風景です。ここは環境保全の立場からガソリン車は入れず、走っている車は皆かわいい電気自動車です。

  

夕食は、スイスの郷土料理「ラクレット」をいただきました。これも楽しみにしていたものです。溶かしたチーズを茹でたジャガイモにつけて食べるという素朴なものでした。

 

  

朝から夕方まで移動の日でしたので、つい食べ物の話題が多くなってしまいました。

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ベルニナエクスプレスに乗って

ずっと乗りたいと思っていた「ベルニナエクスプレス」に乗る日がきました。

予約はサンモリッツ9:29なので朝食前に折角のサン・モリッツを散策しました。

まずホテルすぐ傍のサン・モリッツ湖です。湖を山に囲まれた保養地サン・モリッツは美しい町です。

 

時間があれば是非みたいところですが今回は止む無く断念した「セガンティーニ美術館」まで行ってみました。ホテルのスタッフが教えてくれた道を息を切らせながら登っていきましたが行っても行ってもみつかりません。諦めて降りかけたときに特徴のある屋根発見。随分遠回りしてしまいました。

 

ベルニナエクプレスは標高1775Mサン・モリッツからスタートし、標高2091Mアルプ・グリュム駅を経てイタリアティラーノまで下っていきます。その変化ある車窓風景が人気の列車です。

  

大迫力の氷河に息をのみます。しかしお天気の所為で写真ではその感動がうまく伝わりません。中央に白く見えるのがバリュ氷河です。

  

幾筋もの細い氷河から融けて流れる水と、コバルトブルーの美しい湖が見えます。 

 

イタリア語で「白い湖」という意味の「ラーゴ・ビアンコ」

  

旅行はお天気が印象を左右するということを感じた絶景列車乗車でした。

車内販売のカートについていたカモシカ?にびっくりです。

 

さて終着駅はティラーノですが、右側の白い駅舎はスイス鉄道のティラーノ駅、左側がイタリア鉄道のティラーノ駅です。

 

ジェラートを食べながら簡単にランチを済ませて、今度はイタリア鉄道に乗ります。徒歩でコモ湖に行かれるコモ湖畔の街コリコをめざします。。

 

 

コモ湖は夏のシーズン少し前で人の影は少なく、湖畔のベンチで涼しい風に吹かれながらのひと時を過ごしました。

時間があればコモ湖周遊の遊覧船に乗って対岸の街にもいきたいところですがそれは叶わず。ここからサン・モリッツへ戻るルートはメジャーではないらしく、調べたものの不安があってまだ緊張です。

コリコから列車で、バスの通過点であるキアベンナへ。コリコ駅で列車待ちをしていたらしいおじいさんが発車ホームへ案内してくれました。一つのホームに二つの表示があったりまた列車はその都度発着ホームが変わったりするのは、あちらでは珍しくないことです。この時も列車は駅舎に隠れて見通しがきかないところに停まっていました。このおじいさんはキアベンナ到着までの30分間いろいろ話しかけてくるのですが、彼はイタリア語しか解さず、こちらも片言英語なので、珍妙な会話?でした。紙に73と書いてくれましたので多分73歳でしょう。なにかの免許証らしきものも見せてくれて、自分はパテシエだったと言っているらしいことや、若いときに自転車でサンモリッツのすっと北の方に行ったことがあるらしいことはわかりました。案内してくれたお礼にキャラメルを進呈しましたら、包み紙を読んで「オー モ・リ・ナ・ガ」と言いいながら口に入れてくれました。

 

キアベンナはイタリア最北の町であり、スイス絶景ルートの一つルガーノサン・モリッツ間パームラインの中継点です。座席指定のパームラインと平行して走っているポストバスに乗ってサン・モリッツまで戻ります。スイスは鉄道だけでなくバス路線が発達しています。そのバスは元々は郵便を運ぶ馬車のルートがバス路線になったものです。ポストバスと呼ばれているのはそういう理由だそうです。バス停はどこも郵便局前です。スイスのポストは黄色、バスもやっぱり黄色です。

 

山間の村に停まりながらいくこのルートは、のどかで景色も美しく正解でした。

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 グラールスアルプス サルドーナ地殻変動地帯へ

「地球の深部はアセノスフェアと呼ばれる岩流圏であり、その上部はソリスフェアと呼ばれる岩石圏で岩石はいくつかのプレートになって地表を覆っている。このプレートはアセノスフェアのマントルの動きにのって動いている」というのが1960年代後半以降に発展した「プレートテクトニクス」という地球科学の学説だそうです。

この日出かけたのは、この「プレートテクトクス」の証明に重要とされる地帯です。視界が良ければ下の写真のように横にはっきりと筋が入った断層が見られるはずです。

 

サルドーナ地殻変動地帯に観られる断層では、約2億5000万年から3億年前のペルム紀の地層が、約5000万年前の地層の上に重なって存在しています。普通ならあり得ないこうした逆転現象が「プレートテクトニクス」を証明する上で多くの地質学者が研究の対象としてきたそうです。中心部にあるピッツ・サルドーナ山など3000メートル級の峰の中に風雨の浸食でできたと思われる「穴」があるというのも興味を惹かれました。

ここはサンモリッツ~イタリアティラーノ間のベルニナ急行と同じく2008年に世界遺産に登録されたのに情報が少なく、そのアクセスを調べるのに苦労しました。

曇天の中チューリッヒを出、途中でやはり雨。チューリッヒからクール方面行きの列車で約50分ジーゲルブリュッケで降りて少々待ち合わせ。駅付近を徘徊していた猫ちゃんはまるで日本猫です。

 

 

支線に乗り換え約25分シュワンデン下車、そこからバスで30分ほどです。

目的地エルム(ELM)村に到着ですが、降りしきる雨。

 

こちら方向に見えるはずだったサルドーナの地層、しかし雲と雨に霞んで地層どころか山があることさえよくわかりません。

 

はるばる出かけてきたのに残念ですが、自然相手に文句も言えず、インフォメーションに行って方角を確認して絵葉書を買って次なる目的地に向かいました。

 しかし向かった小さな博物館は開館時間がまだで、そぼ降る雨の中寒さ凌ぎに入った村のカフェ。ココアで通じず、ホットチョコレートで通じず、ショコラでやっと暖かい飲み物が運ばれて来ました。だけど、ホットミルクにチョコレートのパウダーを自分で入れるセルフサービスです。ちょっとびっくりしましたが、郷に入れば郷に従えです。

博物館はこじんまりとしていましたが、この地方の動物アイベックスやマーモットなどの剥製は充実していて楽しめましたし、館長さんは二人だけの来館者に親切で例の「サン・マルティンの穴」がどんな風に見えるのかデジカメの映像を見せてくれました。

 

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初日から災難 

4ヶ月かけて楽しみながら準備してきたスイス旅行にスタートです。

チューリッヒに入りサンモリッツに移動して念願の絶景列車ベルニナ急行乗車、同じく絶景列車の氷河急行でツェルマットへ、ツェルマットでマッターホルンやモンテローザの高峰を展望台から間近に望み、古都ベルンへ。ルツェルンの氷河公園とホームズ最後の事件の舞台となったライヘンバッハの滝へ、というスイス一周の旅です。

 

しかし・・・BA経由便利用で危惧したことが現実に。

乗り継ぎ時間がもともと少なかったのに加えて遅れがでました。乗り継ぎのヒースロー空港に到着前にフライトアテンダントから「遅れて到着なので予約の次の便にも搭乗できるように手配しました」との連絡がありました。しかし、降りるとBAのスタッフが待っていて空港内を早足で案内してくれて、予約していた便に間に合ったのです。

ところがチューリッヒの空港で荷物が現れずバゲッジクレームカウンターへ行き、宿泊ホテルの申告などの手続きを。

想像するに、乗り継ぎがもう間に合わないという判断で荷物は次の便に搭載されたのに、人間だけは間に合って予定便で運ばれてしまった・・・。

以前にエールフランスで機材トラブルのため飛べず1泊を余儀なくされた時のことを思い出します。シャルルドゴール空港で放り出され、あの広い空港で案内は全くなく手続きのカウンターにたどり着くのにどんなに大変だったか・・・。それを思えば、到着の遅れはあったにしてもブリティッシュエアーウェイズの対応は丁寧でした。

就寝前の10時過ぎ、チューリッヒ中央駅近くのホテルに荷物が到着。波乱含みの幕開けです。

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