グラールスアルプス サルドーナ地殻変動地帯へ

「地球の深部はアセノスフェアと呼ばれる岩流圏であり、その上部はソリスフェアと呼ばれる岩石圏で岩石はいくつかのプレートになって地表を覆っている。このプレートはアセノスフェアのマントルの動きにのって動いている」というのが1960年代後半以降に発展した「プレートテクトニクス」という地球科学の学説だそうです。

この日出かけたのは、この「プレートテクトクス」の証明に重要とされる地帯です。視界が良ければ下の写真のように横にはっきりと筋が入った断層が見られるはずです。

 

サルドーナ地殻変動地帯に観られる断層では、約2億5000万年から3億年前のペルム紀の地層が、約5000万年前の地層の上に重なって存在しています。普通ならあり得ないこうした逆転現象が「プレートテクトニクス」を証明する上で多くの地質学者が研究の対象としてきたそうです。中心部にあるピッツ・サルドーナ山など3000メートル級の峰の中に風雨の浸食でできたと思われる「穴」があるというのも興味を惹かれました。

ここはサンモリッツ~イタリアティラーノ間のベルニナ急行と同じく2008年に世界遺産に登録されたのに情報が少なく、そのアクセスを調べるのに苦労しました。

曇天の中チューリッヒを出、途中でやはり雨。チューリッヒからクール方面行きの列車で約50分ジーゲルブリュッケで降りて少々待ち合わせ。駅付近を徘徊していた猫ちゃんはまるで日本猫です。

 

 

支線に乗り換え約25分シュワンデン下車、そこからバスで30分ほどです。

目的地エルム(ELM)村に到着ですが、降りしきる雨。

 

こちら方向に見えるはずだったサルドーナの地層、しかし雲と雨に霞んで地層どころか山があることさえよくわかりません。

 

はるばる出かけてきたのに残念ですが、自然相手に文句も言えず、インフォメーションに行って方角を確認して絵葉書を買って次なる目的地に向かいました。

 しかし向かった小さな博物館は開館時間がまだで、そぼ降る雨の中寒さ凌ぎに入った村のカフェ。ココアで通じず、ホットチョコレートで通じず、ショコラでやっと暖かい飲み物が運ばれて来ました。だけど、ホットミルクにチョコレートのパウダーを自分で入れるセルフサービスです。ちょっとびっくりしましたが、郷に入れば郷に従えです。

博物館はこじんまりとしていましたが、この地方の動物アイベックスやマーモットなどの剥製は充実していて楽しめましたし、館長さんは二人だけの来館者に親切で例の「サン・マルティンの穴」がどんな風に見えるのかデジカメの映像を見せてくれました。

 

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コメント

  • anneさん、こんにちは。

    あいにくの雨でしたね。
    でも、やはり雰囲気があり駅の風景などはとても素敵です。
    サルドーナの地層は、ちらっとも見えなかったのでしょうか?
    2億5000万年前のものなんて、気が遠くなりますね。
    何かロマンがあって好きです。
    ホットココアではなくて、ショコラがおいしそう~

  • アンさん コメントありがとうございます。

    サルドーナ地殻変動地帯なんて今まで全く知りませんでした。
    ルートもほぼ決まりホテルの予約を取った段階で、相棒がここに大変興味を持ってできることなら行きたいとの希望でした。
    それから、二人でパソコンに張り付いてリサーチです。
    そうしているうちに、おかしなもので私も興味が湧き、行けるとわかった時はうれしかったです。まだみていないうちから一種の達成感がありました。

    しかしです、ご覧の通り地層は全く見えませんでした。
    相棒は再訪したいと言っています。

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